省エネ化・補助金活用を革新、「利益の確保」「競合との差別化」「顧客満足度向上」につなげる省エネコンサルティング
株式会社エコと省エネルギーサポート
業務内容:SII省エネ補助金、既存建築物の省エネ化・省CO2化など、経産省・環境省・国交省の省エネルギー補助金活用を複合した省エネコンサルティング
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LED照明に交換すると省エネになり、電気代が安くなる、ということは今の時代ではほとんどの方が知っていることでしょう。
それでは実際にいくら得するのでしょうか?これはちゃんと計算で求められるんですよね。
しかも法人様だけでなく、皆さんの家庭まで応用が効きますので、このテーマを第一弾として書いていくこととしました。
なお、照明設備の省エネ化は、ビル・商業施設・病院・福祉施設等の建物の省エネを考える上での重要な三要素の1つになります。
LEDとはLight Emitting Diodeの略で、発光ダイオードと呼ばれています。ダイオードとは半導体素子の一種で、電圧を加えると名前の通り発光する部品ですね。
もともとダイオードには電気の逆流を防止する役目があります。LEDにも電気を流す向きがあります。
なお、LED照明器具には安定器等の部品が組み込まれているので、交流電源を器具内部で直流変換してくれます。そのため、取付の向きを気にする必要はありません。
<白熱灯の原理>
従来の白熱灯は、ガラス内の導線(フィラメント)と呼ばれる部品に電気を流しています。電球交換などの際にこのフィラメントを見た方もいるのではないでしょうか。このフィラメントはタングステン製のとても細い線で出来ており、電気を流すことでこの細い導線を通過する電子同士が衝突を起こし、熱を発生させます。その温度は2500~3000℃にもなり、高温になることで光を放つという仕組みです。電球交換の際に触ってやけどした人もいるのでは?
なぜわざわざ寿命の短そうな細い線を使うかということですが、細い線を使うことで大きな電気抵抗が生じ、これによって少ない電力で大きな熱と光を出しているのです。すなわち、この導線が切れる=白熱電球の寿命ということですね。
白熱電球の仕組み(引用:学研キッズネット)
<蛍光灯の原理>
従来の蛍光灯は、電気抵抗を利用する白熱灯とは少し違う思想です。蛍光灯のガラス管の中にはアルゴンガスと微量の水銀が封入されています。電極(フィラメント)から電気を流すと、ガラス管内部に放電して放出された電子が管内に封入された水銀原子と衝突して紫外線を放出し、これが内側のガラス表面に塗ってある蛍光物質を発光させるという仕組みです。管の内部は完全に真空にするよりも低圧のガスがあったほうが、ガスのイオン化によってフィラメントからの放電が起こりやすくなるため、フィラメントを侵しにくいアルゴンガスを封入します。蛍光物質はいくつかの色が合わさって白く見えるようになりますが、蛍光物質が古くなるとだんだん暗くなってきて、やがて寿命を迎える、ということになります。
蛍光灯の仕組み(引用:中部電力電気こどもシリーズ)
電球形蛍光ランプの仕組み(引用:学研キッズネット)
<白熱電球と電球形蛍光ランプの省エネ差>
白熱電球は熱と光を出していますね。言い換えれば、せっかく投入した電気エネルギーが光だけでなく熱エネルギーになってしまっています。本来は光だけ得られれば良いのですが、熱エネルギーになってしまった部分は"ロス"となりますので、省エネには不向きなんです。
それに比べて電球形蛍光ランプは白熱電球ほど熱を出さないので、白熱電球が使う約1/5の電気で同じ明るさにできます。LEDがまだ主流になる前は、この電球形蛍光ランプに変えることで省エネ化することが出来ました。また、寿命も白熱電球に比べて約5倍と言われています。
LEDランプがかなり安価になってきましたが、電球形蛍光ランプもまだまだ現役です。
<LED照明の原理>
LEDチップの基本構造は、P型半導体( +:Positive 正孔が多い半導体)とN型半導体(-:Negative 電子が多い半導体)が接合された「PN接合」で構成されています。
LEDチップに順方向の電圧をかけると、LEDチップの中を電子と正孔が移動し電流が流れます。正孔とは半導体で本来は電子で満たされているべき部分の電子(-)が不足した状態であり、相対的に正(+)の電荷を持っているように見える孔であることから名付けられています。半導体内で電子が正孔にぶつかると、電子と正孔がもともと持っていたエネルギーよりも小さなエネルギーになります。そのエネルギー差によって生じた余分なエネルギーが、熱や光のエネルギーとして放出され、LEDは発光します。LEDの発光原理を知って得する人はあまりいないと思いますので、これくらいにしておきましょう。
かなりイメージが難しいと思いますが、従来は電子の摩擦や衝突によって熱エネルギーと光エネルギーを作り出していたのに対し、LEDでは電子がもともと持っているエネルギーを放出させるような形になります。このように電気エネルギーを従来よりも無理なく、小さなエネルギーで光に変換することが出来る技術が確立され、LED照明として活躍しています。
LEDチップの構造(引用:パナソニック電工)
LEDの発光原理(引用:パナソニック電工)
長く引っ張ってしまいましたが、実際に知りたいのはここですよね。定性的に書かれている記事が多いですが、ここではちゃんと数字で省エネ計算の比較をします。さらには経産省・環境省・国交省など、国の省エネ補助金制度の交付申請書レベルにも使える具体的な省エネ計算方法も記載しますので、役立てて頂ければと思います。
<ランプ交換による省エネ計算の一例>
ここでは省エネ性能の差として、60W白熱電球相当の省エネ性能を見ていきましょう。
この表のデータを用いて省エネ計算を行っていきます。
白熱電球 | 蛍光灯形ランプ | LEDランプ | |
---|---|---|---|
消費電力 | 54.0 W | 11.0 W | 6.9 W |
参考価格 | 400 円 | 800 円 | 1,500 円 |
参考寿命 | 3,000 h | 10,000 h | 40,000 h |
比較に当たっては、まず年間の電力消費量を算出します。電力消費量は[kWh]という単位で表される数値です。単位の通り、「消費電力」×「稼働時間」で計算することが出来ます。
算出に当たり、稼働時間を設定しましょう。ここでは10[時間/日]として算出してみます。
ちなみに、この稼働時間は負荷率とも言います。
次に各々の消費電力にこの稼働時間(負荷率)を掛け算します。これにより年間の電力消費量[kWh]を求めることが出来ます。(※計算結果は"千"で割って、kWに換算してます)
では次に、年間の電力消費量の差によってどれくらいコストが変わるかを計算しましょう。
ここで算出されたコストの差が、省エネを行うことによるメリットになります。
電気料金の1kWh当たりの単価は法人・一般家庭で契約方法が異なるため、一概には言えませんが、下記を考慮して20.0円/kWhで算出することにしましょう。
(法人では18.7円~夏季20.8円/kWh(高圧季節別時間帯別電力Aの契約電力500kW未満)、一般家庭では19.43円/kWh(東京電力の従量電灯B(第1段階料金))
以上がランプ交換をした際の省エネ計算結果です。省エネ計算を行うことで、年間コストの差を定量的に捉えることが出来ます。
あまり大きな金額ではないと思った方もいるかと思いますが、こちらは1台当たりの価格差になります。照明設備というのはとても数が多く、病院・福祉施設・事務所など、2階建て以上の事業規模になると、すぐに100台を超えてきますので大きなコストメリットが見込めます。
さらに製品寿命や交換作業コストも考慮すると、コストメリットはさらに大きくなります。
参考までに一般家庭で考えてみると、白熱電球を使っているところが多いかと思います。そこでランプを1個をひねって交換するだけでこれだけのコストメリットが出てきます。4つも変えれば年間で1万円の削減ですので、やはり省エネに取り組む価値があります。
このように実際に省エネ計算を行い、年間の金額メリットを数値として出してみると、省エネによるコスト削減効果のイメージが湧くのではないかと思います。
テーマに上げましたどれが最も省エネでお得なのかということですが、やはりLEDに軍配が上がりました。しかしながら価格が少々高いため、このように考えていくことをお勧めします。
さらに・・・
こちらの省エネ計算結果は電力消費量から推定される結果ですが、実際に省エネが上手くいくと契約電力を下げることができます。これによりさらなるコストメリットに繋がります。
蛍光灯の仕組みで触れたように、蛍光灯のガラス管には水銀が封入されているんですよね。2013年に国連で採択された「水銀に関する水俣条約」があり、この水銀封入量が一定量を超える蛍光灯の製造や輸出及び輸入が2020年以降に禁止となります。
細かい規制内容はあるものの、規制対象でない蛍光灯もありますし、使用中の蛍光灯は禁止されません。最近の蛍光灯はほぼ全てが規制値以下のため、製造・販売することが可能です。
しかし、日本では2020年を目途に省エネ法を改正するという方針が固まったため、条約では規制されていない白熱灯や蛍光灯でも実質的に製造中止にせざるを得ない…ということになるようです。
今後の動向に注目していく必要はありますが、今後もLED照明設備に更新していく流れになっていくと予想されます。LED照明の性能もどんどん上がっていくでしょうから、設備投資の際にはLED照明を選択していくことがベースになるでしょう。
LED照明など、設備投資には多くの初期費用が掛かります。省エネ設備の導入や更新に関して言えば、補助金を活用していくことが出来ます。イニシャルコストだけでなくランニングコストも抑えられ、さらに企業のイメージアップにもつながり、地球環境にも配慮することが出来ます。事業者様にとってはとても有益な制度ですので、活用しない手はありません。
当社ではお客様のご要望に最大限応えられるよう、省エネに関する補助金活用をベースとしたコンサルティングを得意としております。個別相談も無料ですので、ぜひご活用下さい。
当社をビジネスパートナーに選んで頂ければ、お客様それぞれの立場での利益に繋がります。
などなど、どんな些細なことでも構いません。
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